組織構成と特徴
Organizational structure and characteristics
■ 特徴
当リハビリテーション部は、総合リハビリテーション承認施設の認定を受け、理学療法部門、作業療法部門、言語聴覚療法部門に分かれて患者さんへリハビリテーションを提供しています。病気や障害があっても、住み慣れた地域で、自分らしく暮らしたいという、ひとりひとりの思いを大切に、運動機能やADL能力が低下した状態にある方々に対し、様々な手段を用いて、運動機能やADL能力の回復を目的にリハビリテーションを行います。当院では、入院早期からリハビリ介入を行い、医師・看護師・他部門と連携して365日リハビリテーションの提供を行っています。また、退院時には、退院前訪問指導として、患者さんの生活環境を実際に訪問し、家庭復帰や社会復帰を支援して、生活の質の向上を行っています。認定療法士や各専門分野に特化したスタッフも在籍しており、学会での発表や研修会の講師、研究分野にも積極的に取り組み、高度なリハビリテーションを患者さんに提供するようにしています。
専門職種と各チームの特徴
Specialties and Team characteristics
理学療法士
Physical Therapist作業療法士
Occupational Therapist言語聴覚士
Speech Language Hearing Therapist医療事務・リハビリ助手
Medical assistant & Rehabilitation assistant専門・認定療法士、有資格者( 2023年4月時点 )
Qualification
- 専門理学療法士:内部障害
- 1名
- 認定理学療法士:管理・運営
- 1名
- 認定理学療法士:脳卒中
- 2名
- 認定理学療法士:運動器
- 4名
- 認定理学療法士:循環器
- 4名
- 認定理学療法士:呼吸
- 8名
- 認定理学療法士:代謝
- 1名
- がんリハ研修修了
- 39名
- 心臓リハビリテーション指導士
- 10名
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 24名
- NST専門療法士
- 1名
- 腎臓リハビリテーション指導士
- 1名
- 臨床指導者研修終了
- 19名
- Bobath(成人):基礎講習会修了
- 5名
- Bobath(成人):上級講習会修了
- 2名
- Bobath(小児):基礎講習会修了
- 1名
- Bobath(小児):基礎講習会修了
- 1名
- 地域糖尿病療養指導士
- 2名
- 介護支援専門員
- 3名
- 呼吸ケア指導士(初級)
- 1名
人材育成
Human Resource Development
■ ローテーションシステム・研修制度
入職後は初期研修として4年間のローテーションシステムにより様々な疾患を経験できます。例えば、理学療法士では、運動器・脳血管・呼吸器・循環器の全ての疾患を4年間で経験できます。部内の教育システムは「屋根瓦式教育」を採用しており、グループ内に経験年数の異なる3~5名の小さなチームを構成して教育を行っています。この診療チームは「縦ライン」と呼ばれており、「教え、教えられながら」診療を進めていきます。各診療チームでは1週間に1回の頻度で業務内に相談会も開催しています。
ローテーション期間が終わった後にも様々なキャリアアップの道が開かれています。例えば、下記に示す“教育のスペシャリスト”を目指すプログラムや、院内にある臨床研究支援室と共同しての臨床研究プログラムもその一つです。また、連携している回復期病院や訪問リハビリテーション施設へ出向するプログラムも準備されており、ジェネラリストを目指すこともできます。現在は明確なコース分けはありませんが、個人のキャリアにあわせて、飯塚病院だからこそできる経験をたくさん積むことができます。
■ 充実のe-learningコンテンツ
e-learningコンテンツを使用して「いつでもどこでも学習」できるような工夫がなされています。部内にはe-learning構築部会が存在しており、100以上ある全てのコンテンツを閲覧することが出来ます。コンテンツは『e-Learning Professional』の資格を持つスタッフが監修して数だけでなく質の向上にも取り組んでいます。また、e-learningと臨床経験の融合に向けた取り組みも進行中です。
■ 教育するスタッフを育成するプログラム
当院のリハビリテーション部では他にはない教育者育成プログラムが存在します。臨床教育者研修会では、教育理論や基盤に基づいた“根拠ある教育”を実践できるスタッフを育成するプログラムを実施しています。研修は、実際の臨床教育と紐付けられており、学生教育、縦ライン(上記参照)リーダーやグループ内研修会の立案など多くの教育経験を積むことができます。また、飯塚病院独自のシステムとして麻生リハビリテーション大学校との連携により、養成校で学生に対しての授業を行う経験が積めるプログラムも準備されております。
院外セラピストに向けた教育活動
Human resource training for out-of-hospital therapists
飯塚病院では院外のセラピストに向けた研修会や連携、社会活動にも力を入れております。具体的には、書籍やポジションペーパーの執筆、学会での座長や研修会の講師など様々な活動を行っているスタッフが在籍しております。
2022年度からは呼吸器分野にて認定理学療法士教育カリキュラム教育施設の認可を受けて、19名の修了者を輩出しております。2023年度からは、さらに循環器、運動器を加えた3分野で認可を受けて活動していく予定です。
臨床研究活動
Clinical Research Activities
当院では、研究者を育成するプログラムも存在しています。ワークショップでは、「リサーチクエッションの作成方法」や「系統的検索」のやり方などのレクチャーも行われています。研究企画会議では、部内の臨床研究部会にて吟味されて論文執筆経験のあるスタッフからのアドバイスも受けられます。研究企画会議の地点で、臨床研究の経験がある担当スタッフが一人つき、メンターとして学会発表を始めとして論文作成まで支援します。また、みなさんの不安が多く専門的な知識が必要な統計解析は、院内の臨床研究支援室と協力することで間違いのない統計処理が可能です。