飯塚病院リハビリテーション部

外来リハビリテーション

外来リハビリテーションの特徴

Features of outpatient rehabilitation

 外来リハビリテーションにおいては、当院で入院治療後の患者さんや、当院外来診療中の患者さんを対象に、リハビリ介入を行っています。主に、ボツリヌス外来、乳腺外来、運動器外来、心臓リハビリテーション外来、小児リハビリテーション外来、COPD外来などを中心に実施しており、専門的な評価を行い、対象者個別の目標設定・治療内容を提供しています。また、外科手術前の運動機能評価の為に、外来にてリハビリを行うケースもあります。

外来リハビリテーションの紹介

Outpatient Rehabilitation Introduction

ボツリヌス外来

 脳血管疾患後遺症として、痙縮により手指が握ったままとなり開きにくい、ひじが曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がるなどの症状により、着替え脱ぎ着がしにくい、足の筋肉がつっぱり歩きにくいなど生活に支障をきたします。ボツリヌス療法とは、ボツリヌストキシンを筋肉に注射することで、筋肉を緊張させている神経の働きを抑え、筋肉を和らげる効果があります。当院でもボツリヌス療法の専門外来で、生活行為の改善と介護負担軽減を主目的としてリハビリテーション医/専属理学療法士/作業療法士でボツリヌスチームを構成し、ボツリヌス療法に取り組んでおります。また、施注後は短期入院での集中リハや外来リハを実施し機能維持・改善を目指しています。

乳腺外来

 乳がんの手術後は、リンパ浮腫を発症することがあります。リンパ浮腫は、リンパ系(リンパ管・リンパ節など)の異常による浮腫(=むくみ)であり、発症時期(数ヶ月〜数年)も様々で、完治が難しいと言われています。、リンパ浮腫を発症すると手術した腕の機能が低下し、日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の低下がみられます。当院で乳がんの手術をされた患者さんは、リハビリテーション医の指示の下、手術前より関わり、リンパ浮腫予防に関しての評価や指導を定期的に実施し、早期発見や予防に努めています。

運動器外来

 当院に入院治療後の患者さんが対象になります。主治医の指示のもと、骨折・腱損傷・末梢神経障害にて、外傷やその他様々な原因により生じた障害に対して専門的な評価を行い、損傷の状態や手術方法に応じた丁寧な介入で、運動療法・徒手療法・物理療法などのリハビリテーションを通じて、機能の回復を目指し、患者さんの生活を考えながら指導を行います。上肢疾患に対しては作業療法士、下肢疾患に対しては理学療法士が介入を行い、定期的に主治医の指示と方針を共有し患者さんの状態に合わせた最適なリハビリテーションを提供できるよう、また早期に社会復帰できるように努めています。

心臓リハビリテーション外来

 主に当院入院治療後の患者さんや、当院診療外来通院中の患者さんが対象になります。「リハビリテーション」と聞くと、運動療法がメインだと思われるかもしれませんが、「⼼臓リハビリテーション」は運動療法だけでなく、⾷事療法や薬物療法、⽣活指導などを含んだ取り組みであり、⼼臓の機能回復のために、⽇常の⽣活習慣そのものを改善することが⼤きな⽬的となっています。⽇常の⽣活習慣を変えていくには、入院中の心臓リハビリテーションだけでなく外来での心臓リハビリテーション介入が重要とされており、当院でも積極的に取り組んでいます。

小児リハビリテーション外来

 発達の遅れが気になる子どもさん(運動発達の遅れ、言葉発達の遅れなど)、行動が気になる子どもさん(自閉スペクトラム症、注意欠如多動症など)、身体機能に障害がある子どもさん(脳性まひ児や重症心身障害児など)などを対象に、作業療法士(OT)が主に関わり、主治医の指示のもと、必要に応じて理学療法士(PT)や言語聴覚士(ST)も関わり、心身の発達の促進、身体機能の維持・改善を目指したリハビリテーションを行います。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)外来

 慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)を発症すると、息切れを恐れ動かなくなり、徐々に体の機能が低下し、さらに息切れ症状が悪化します。そして、ますます動けなくなり、食欲や気力まで無くなり、体力が落ちて風邪なども引きやすい体となり、重症化してしまうなどの悪循環に陥りやすいです。リハビリを実施することで、その悪循環を断ち切り、息苦しさや息切れの軽減、生活の見直しと改善、運動の習慣化が外来での目的です。運動により感染に負けない体力がつき、効率的に体を動かせ、息切れが軽減し、健康寿命を延ばすことができます。当院でも主治医指示の下、専門的な評価に基づいた運動療法・教育指導を行い、生活の質の改善に向けた支援を行っています。